
食事の栄養バランスを考える際に欠かせない栄養素のひとつである「タンパク質」
「どういう働きしてるの?」「体に本当に必要なの?」と疑問に思う人が多いと思います。この記事を読めばタンパク質の機能、働きについて詳しく理解できますのでぜひご参照ください!
そもそもタンパク質ってなに?

タンパク質とは人の体の重要な構成部分の一つであり、身体を作る材料として必要な栄養素です。内臓や皮膚、体毛、爪にいたるまでさまざまな構成要素となります。
人体に不可欠なタンパク質
標準的な成人男性であれば体には10kg前後のタンパク質が含まれております。最も多く含んでいる箇所、それは「骨格筋」と言われる部分です。人体の筋肉は大きく分けて、心臓を構成する「心筋」、内臓を構成する「内臓筋」、そして骨に付着して関節を動かす「骨格筋」になります。人体には少なくとも約3万種類のタンパク質の存在が確認され、それぞれ異なる機能や特徴を持ちます。
アミノ酸はタンパク質の最小単位

アミノ酸はタンパク質の原料です。自然界には500種類もの異なるアミノ酸が存在します。しかし人間の体はその内のわずか「20種類」のアミノ酸からタンパク質を合成することによって作られています。
9種類の必須アミノ酸

必須アミノ酸は体内で十分な量を合成することができず、肉や魚、穀物などさまざまな食事で摂取する必要があります。
11種類の非必須アミノ酸

非必須アミノ酸は体内で合成することが可能なアミノ酸です。重要な働きを担うアミノ酸が多く、食事からも摂ることが望ましい場合もあります。
タンパク質の分解と吸収について

食事で摂取したタンパク質は、そのまま体のタンパク質になるわけではありません。タンパク質の最小単位であるアミノ酸まで分解されてから吸収されます。吸収されたアミノ酸は血管を通って肝臓から全身へ運ばれ、ここでやっと体に必要なタンパク質の材料として使われます。
胃と腸で分解
アミノ酸への分解はいくつもの段階があります。食事で摂取したタンパク質は実際に吸収されるまで時間がかかり、各食材に含まれる成分によってもタンパク質の吸収速度に差が発生します。
アミノ酸プールの役割は?
先ほどもご説明しましたが、食事から摂取したタンパク質は、消化吸収されてもそのまま筋肉にはなりません。こちらではアミノ酸のまま肝臓から血管を通じて貯蔵される「アミノ酸プール」について深掘りしていきたいと思います!
筋肉の材料は遊離アミノ酸である
アミノ酸プールは簡単に説明しますと、アミノ酸の貯蔵庫になります。人体の新陳代謝に必要なアミノ酸をいつでも使えるように一定量をストックしています。こちらのプールは特定の場所を指すわけではなく、体内に存在する「遊離アミノ酸」(他の結合していないアミノ酸)を指した言葉です。
アミノ酸プールとなるのは主に筋肉と血液
最大の貯蔵庫は筋肉(骨格筋)であり、筋肉1kgあたり3~4g程度の遊離アミノ酸が存在すると言われています。アミノ酸プール内のアミノ酸がタンパク質として使われれば、減った分のアミノ酸は食事や筋肉の分解などにより補充されます。
アミノ酸スコアについて
アミノ酸スコアとは、体内で十分に合成できない必須アミノ酸の含有率を算出して点数化したものです。
~~種類別タンパク質のアミノ酸スコア~~
- 大豆 100
- 牛・豚・鶏 100
- 魚類 100
- 卵 100
- 牛乳 100
- 精白米 61
- 小麦粉 42
(1985年: FAO(国際連合食糧農業機関)/WHO(世界保健機関)/UNU(国連大学)による評価データ)
こちらのデータをお見せした理由は、摂取する必要がある必須アミノ酸の含有バランスを把握しておく必要があるためです。含有バランスが悪いタンパク質では不十分です。9種類のアミノ酸をバランスよく摂取して初めてタンパク質の材料となります。だからこそアミノ酸スコア100の食品を選ぶことが重要です。
高タンパク質食品の選び方

ここまでタンパク質が体に行き渡るまでのご説明をしてまいりました。こちらではいよいよ代表的な高タンパク質食品をご紹介したいと思います。
いろいろな食品を食べてみよう

高タンパク質食品はタンパク質含有量だけでなく、さまざまな選択基準があります。毎日多品目の食品を食べることが理想的です。鶏・牛・豚の肉類から魚介類、卵、大豆食品まで、タンパク質は多種多様な食品から摂ることができます。
■高タンパク食品の主な選択基準
- 多量摂取:一度に多くのタンパク質をとりやすいのは肉類。脂身や鶏皮は高脂質なので注意。例)鶏肉、牛肉、豚肉など
- 低価格:食事はコストも重要課題。肉類の中では鶏ささみ肉や鶏むね肉が比較的安価。例)鶏肉(ささみ、むね)、卵、納豆、豆腐など
- 低脂質:体脂肪が気になる人は低脂質の食品で摂取カロリーを抑えることが大切です。例)鶏肉(ささみ、むね※皮なし)
- 高栄養価:総合的に栄養価が高い食品は健康維持にも有効。それでも食べ過ぎは禁物。例)レバー、大豆食品、卵、牛乳など
- 脂肪酸の質:DHAやEPAの含有量が多い食材をとることで生活習慣病などのリスクが減る。例)魚(青魚、うなぎなど)
- 調理いらず:多忙な人や1人暮らしの人にはそのまま手軽に食べられる食品が便利。例)魚(刺身、缶詰)、卵、納豆、豆腐など
■実用的高タンパク食品
| 肉類 | タンパク質(g) | 脂質(g) |
| 鶏ささみ肉 | 24.6 | 1.1 |
| 鶏むね肉 | 24.4 | 1.9 |
| 豚ヒレ肉 | 22.2 | 3.7 |
| 牛ヒレ肉 | 20.8 | 11.2 |
| 魚類 | タンパク質(g) | 脂質(g) |
| マグロ赤身 | 26.4 | 1.4 |
| カツオ | 25.8 | 0.5 |
| ツナ缶 | 16.0 | 0.7 |
| イワシ缶 | 20.7 | 10.6 |
| 卵・大豆 | タンパク質(g) | 脂質(g) |
| 卵(鶏卵) | 12.3 | 10.3 |
| 木綿豆腐 | 6.6 | 4.2 |
まとめ:自身が摂るべきタンパク質を選ぼう!
こちらの記事ではタンパク質の重要性や働き、代表的な食べ物をご紹介いたしました。
タンパク質が体の中でさまざま過程があることを理解できたと思います。ぜひ、今回読んでいただきました記事を参考に、明日からの食生活をより良いものにしていきましょう!
以上、最後までお読み頂きありがとうございました!


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